冨長敦也個展 NINGUEN> 2011.7/9(土)〜20(水)
〜NINGUEN〜

子供の頃、色々な場所から土を掘り出し、それを両手のひらでゴロゴロまわして15センチほどの玉を作る遊びがあった。団地のテニスコートの赤土は乾燥させて布でこするとよく光るとか、市場の裏の空き地の土は小学校の焼却炉で焼くと堅くなるとか、成功や失敗の経験を頼りに自分だけの秘密の土の玉を作り、放課後、ひそかにそれを木箱に並べて色艶や強度を競いあった。
手の中からモノを生み出した最初の経験である。モノを作る人生を一生に譬えるなら、僕の場合は、土をいじくっていたことが“幼児体験”と言えるだろう。
「いじくる」は「触れる」に比べると、手垢がつきそうなほど人間味が豊かでありながら、他人の前では胸をはってはできない、なんとなく気恥ずかしいものである。そういえば、隠れてもぞもぞ鼻の穴をいじくって母によく叱られたが、僕の彫刻体験はこちらの方が早いかもしれない。
今、土の源である石をいじくり人間をつくり続けている。
冨長敦也
冨長さんの石彫は20年ほど前から気になっていたけど、元町の画廊では気後れがした。東京の画廊で冨長さんの作品と再会し、今回の個展に繋がったのはうれしい。今回のタイトル“NINGUEN”は人間という意味とポルトガル語で“無”を意味する。人間という存在を形にしながら、その普遍としての“無”を深く、しかし暖かく抱擁する。
島田 誠
◆B1F deuxにて 12:00〜19:00
※火曜日は〜18:00、最終日は〜17:00まで。
■会場の様子 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。





