「生きるものたち」と。名題された絵を描いています。なぜ、このテーマと出会ったかについて書きます。絵の勉強に行っていた二十代のある時期。生き続ける不安や苦悩で、漠然とした死の誘惑に、よくかられていました。それがだんだん、ひどくなってきました。何かきっかけがあれば死んでいたと今になって思います。そんな様なことで親元に引き戻され、いりいろなことがあり、絵画への情熱はなくなりませんが、しばらくのあいだ、老人福祉の仕事につきました。それまで、いかに死のイメージがあいまいであったか思い知らされました。30人近い人々の死にかかわりました。歩行中突然亡くなった人、苦しみながら少しずつ死に至った人。炎えるように亡くなった人、悲しみや、不安、諦観、色々な表情、色々な死を観ました。初めて死の実体、実感をえました。この事がその後の人生、絵にとても深い所で覚醒したように思います。