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ブックレビュー 島田 誠(ギャラリー島田)
ブラジルから30年ぶりに故郷へ戻ってくきた津高先生の作品展をギャラリー島田で開かせていただき、大作6点を公立美術館へ寄贈し、収益の一部を刊行のために役立ててもらいました。
「アート・サポートセンター神戸の刊行物」 ■「アート・プロデュースの現状と課題」
ギャラリー島田&アートサポートセンター神戸メールマガジン ギャラリーの全景を360度見渡してみましょう。 『亀井純子文化基金』のページに基金の助成実績発表 |
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島田誠の蝙蝠日記 (2004.7) 忙中旅あり2004 「熱いスペイン 暑い神戸 髭の島田」
呆然自失のままに 今年ほど、海外旅行を周到に準備したことはない。もう20回を下らずに海外の美術館巡りをしている。スペインへは3回目で、前回は13年前のことである。 機中の読書の友はセルバンテスの「ドン・キホーテ」の1,2巻。飯田善国の名著「ピカソ」(再読)。ランボーの「地獄の季節」とマービン・ハリスの「食と文化の謎」である。 ところがである、突然、舞い込んできた執筆依頼に動転して、頭はクルクルパーになってしまった。座席が空いていたのをいいことに3席を占領して、ビール、ワインをがぶ飲みして精神を集中し、ときおりメモをとっている間にシャルル・ドゴール空港に到着した。 乗り継いでマドリーに着いたのが21:15。タクシーでホテルGEGINAへ。夜10時 頃といっても夏時間のでもあり日本の感覚では8時とのこと。スペインの人は夜の食事が、このころから。ホテルはソル広場からすぐ、ゴヤゆかりのサン・フェルナンド・アカデミー(国立美術学校)の隣にある至便の場所。 今回の旅程は、大まかなスケジュールを立てて、移動やホテル情報をインターネットで調べたりして組み立てて、最終段階で、神戸復興塾の仲間である山田和生さんのユニークな旅行社「MY TICKET」に情報をいただきながら決定していきました。今までの半分は現地行きあたりばったりの旅から、少なくとも移動と宿泊は安心しておれましたので、そろそろ高齢者の旅行としては、いい選択だったと思います。 夜の賑わいに驚きながら、ホテルでバッタンキュー。 ぼくの旅行は、すべてそこの文化に体で触れ、最終的には世界の美術の歴史と、それを生み出した時代を自分の五感で確かめたいと思っている。もともと、そんな大層な覚悟の旅ではないのだけど、何度も足を運んでいるうちに、色んなことの関係性が見えてきて、そんな風に感じている。スペインの美術館の凄いところは、徹底して自国の作家を収集しているところで、他国から略奪してきた美術品は極めて少ないことだ。プラドではエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤの画家としての生涯を完全に辿ることが出来るし、フランドル派、ヴェネチア派の作品も充実している。他の美術館ではピカソ、ダリ、ミロが網羅されている。 今回の旅の、第一の要点は、このとんでもなく複雑怪奇で数奇な歴史を持ち、どこか狂的な暗部を抱えた国の美術に浸りきり、飯田善国さんの名著に導かれて、印象派、後期印象派、とりわけセザンヌからキュビズム(ブラック、ピカソ)の発見に至る道筋を確認し、その後のピカソの自在な天才的な仕事を系統的に辿ることでした。バルセロナとパリのピカソ美術館には多くの時間を割きました。 それと第2に長いイスラム支配による文明と、レコンキスタ(国土回復)によるイスラムとカトリック文明の混交、そしてフランス支配、フランコによる独裁支配という複雑な葛藤の重層的な文化の跡を垣間見ること。 第3に、今年3月11日(アメリカは9・11)のマドリー、アートチャー駅での列車テロ事件と、それがもとでの政権交代、イラクから軍隊が引き上げた後の街の表情を見る事。 スペインの奥深さ スペインはその歴史において多くの暗部をもち、またそれらを克服すべく闘ってきました。マドリー(マドリッド)はアラブ人が9世紀に現在マドリー王宮が建っている場所に砦を築きました。これがマヘリット(アラビア語で砦の意味)=マドリーのはじまりとされており、その後、キリスト教徒軍によるレコンキスタ(国土回復運動)、さらにはハプスブルグ家による支配、フランス・ブルボン家による支配と続き、1936年フランコ将軍の反乱からファシズムの支配が続いたのです。ガルシア・ロルカの暗殺、ピカソの抵抗、チェリスト、カザルスの亡命による抗議など、命を賭けてファシズムと戦った市民を誇りに思う現代スペインと、陸軍ファシズムに抵抗しえなかった、あるいは抵抗した人たちを自分たちの誇りとして持ち得ない、私たちの脆さが、大変心配されます。 "フォーラム2004"を主催しているのはスペイン第2の都市バルセロナです。そこが真正面から、こうした問題を取り上げています。日本では、どうでしょう。イラクの人質事件のあった日、マスコミ首脳は小泉総理とステーキとワインで遅くまで会食していたと聞きます。 まあ、何も期待せず、アートが持つ力を信じて、これが戦争抑止力であり、何よりの人間教育であることを信じて、自分の出来ることに全力を尽くす以外にありません。 ドン・キホーテ
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